終焉/鷲田
光りが照らされる白い葉に
運命の蒼い一筋の水が滴る
鼓動は動きを忘却し
風が南に向かって吹き始める
私は沈む
私は沈みゆく
底に溜まった感情は
肉を膠着させ
出口を求めて彷徨う
無数に散らばった悲しみ
流した涙の果てには
壮大は理論があり
無色な景色があった
街は追われながら躍動している
君の怒りは物語を語り
私が私に帰る夜の時に
一つの言葉を投げかけた
「もはや声はいらない」
空間の中
何も存在しない強さは
時空の定期的な鼓動に連動している
風の吹く方向
物語は終わった
冷房機から出る機械的な音だけが
明日への道筋を示している
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