日々の手紙/
服部 剛
私は手紙を綴っている
今日の日が
二度と無いことを知らずに
あなたの顔の面影を浮かべ
手にしたペンを、余白に落とす
おもいの…高ぶりに
自ずとペンは動き出し
無我の歩調は便箋を往く
〈日々の叫びはふるえる字面(じづら)の、裏側に〉
腹の中に渦巻いて沈殿していたものを
打ち明ける秘密の手紙を
あなたは新たに解釈するだろう
これが、わたしの日々の遺書
素朴な風景を吟味しながら
一通ずつ、積みあげられてゆく
いつか手紙の塔になる日まで
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