鴨とわたし/服部 剛
 
突風に路上の白いビニール袋が
ふくらみ舞い上がる、朝

早い流れの川の水面を
つーーー
と、流れに身をまかせ
ひとり目の鴨はゆく

三メートル後ろでは
細い足をじたばたさせて
安住の浜辺になんとか辿り着いた
ふたり目の鴨が息をつく

草に茂みにでんと佇み
ふたり目の疲れた鴨に
何やら、助言をしている
さんにん目は、親分肌

――鴨にもいろいろな
  人間ならぬ鴨模様があるものだ…

  さて、わたくしが鴨ならば
  さんにんの中の誰だろう?  





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