短詩八編/本田憲嵩
 
だからこそ
あの場の空気が凍りついたように思われる
自分の書く詩もこのように
真実で
「人人」を凍りつかせるようなものでありたい、
と、
せつにせつに思うのだ
  「ネイル」
女が尖った長い爪に 
変な色のネイルしてて 
男がその女を口説くために、 
「お、ソレ良いね!」 
なんて、 
ウソ、 
ウソばっかり! 
男が女との性行為の最中に 、 
「妊娠してもかまわないよ!」だなんて、 
断言するけど、 
ウソ! 
ウソばっかり! 
男が女と再婚するために 
女の連れ子のことを、 
「君と同じくらい愛するよ!」とか、
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