未来/鷲田
 
昨日の大空にあった太陽の光には苦痛があった
今日の曇り空の太陽の影には物語がある
泣きながら飛ぶ鳥達が姿を消していく
街は何時も通り、目を覚まし
街は何時も通り、闇に狂うのだろう

瞬間は必然という宝物を連れてくる
破壊を制圧して
キラキラと輝き

今という時代は過去の連続が積み重なり出来た平らな表面
刹那を楽しむ10年前の暗闇
朝の陽は言葉を発している
決して聞こえない声
蛍が珍しく群れを成して、草草から飛立って行った

沈黙が静けさだった夜の景色には
誘いがあった
画もあった
時刻の消滅が永遠に見えたのは
青春の若さだったのか

俺達は沈黙を主張に変えてしまった
毎日の日常の中
経済システムの歯車を回す作業の中
だから俺はもう1回黙ってみる
そうしたらあの太陽の輝きには未来が浮かぶだろうか
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