老猫/星丘涙
 
蝉の声が響く街

死に場所を求め
ずぶ濡れの野良猫が流離う

痩せた体で
よだれを垂らし
よたよたと歩く

淋しさの中
ひっそりと息絶えるのか

助ける者はない
助ける必要もない
独りきり逝くのだ

哀歌の様な雨音のなか

死に場所を求め
ずぶ濡れの野良猫が流離う


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