こころ/為平 澪
 
(心)はいつも正しかったのに (心)に一番遠いのは私だった 
(心)は全てのものを正しい名前で呼べたし書いてみせたのに、 
自分の名前は 知らなかった 
(心)は正しいことが大好きで(心)の法則に従えない者は 
屈服するか屈折するしかない 
私は(心)のことが好きだったが(心)を見たことはなかった 
(心)をどうしていかわからないし(心)が何者か知らないのに 
できるだけキレイな(心)というものが欲しかった 
(心)は芸術家でなんだって作り出せたし自由奔放に生きているくせに 
自分が一番不自由だと喚いた 
(心)に足りないものは私にも足りないし 
(心)が見えるものは私に
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