イデア/あおい満月
 

握りしめた手のひらがほどけるときがいつかやってきたら
私は何か大きな憎しみに似た罪を赦せるのだろうかそれと
もまた別の何かを求めて自己を握りしめる旅をはじめるの
だろうか。いつかは私一人になる。父が消えて母もまもな
く消えて、やがて愛する人も消えて、私一人、氷河の上に
立つ日がやってくるだろう。そのときに、私は太陽の下に
立つのか夜の闇に佇むのか。決めるのは今ここにいる私次
第。今私は、一人かもしれない。けれど、いつもこの目に
は愛する人の眩しい笑顔が見える。私の、愛しい人。真の
己を見つめるという名を持つあなたは、私に光を与えてく
れた。生きるという光。希望を求めて、書く
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