虹になる子どもたち/あおい満月
 
指先に流れ込んでくることばたちが綴る詩は
川の流れにたゆたう髪のように絡みついては
また流れていく。ことばたちは生まれては海
月になって遥か彼方の階段をめざしていく。
ことばたちが昇っていく階段の先には暗い雲
から切り開かれた光がある。そのなかにこと
ばたちは吸い込まれていく。そうして七色の
光になってまた再び手のひらのなかに戻って
いく。



生まれてきた意味を、わたしは知らない。け
れどわかることがひとつだけある。それはこ
とばを書くこと、心を書くこと。私のなかに
は子どもがいる。子どもは生まれては、指先
から外の世界に魚になって出ていってしまう
が、私は
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