落ち葉の色のマグカップ/Lucy
細い山道を車でずっと行ったところに
美しいたたずまいの
お店はあった
自家栽培の
オーガニック素材を使った
家庭料理を食べさせるという
その界隈で作られている
陶芸作品や
手作り品なども
売られていた
その中に
あなたの焼いた
マグカップを見つけた
美しいフォルム
優しい肌触り
あなたの生き方を
私はやはり信じていた
会いたいという思いさえ
一ミリも残っていないはずだったのに
思いがけない再会に
記憶の奥の
薪ストーブがあかあかと燃えた
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