形象/ヒヤシンス
 

 夜のテラスに薔薇が咲く。
 花びら、それは鮮やかな血の滴り。
 消える事の無い悔恨だ。
 それは私らの繋がりにも似ている。

 夜空に瞬く星々はじっと見つめる目の玉だ。
 恐るべき幻想。
 行いは天体全てに晒されている。
 目の玉が後悔の涙を流し、地上には雨が降る。

 天体の前に私らは為す術もない。
 酔ったように彷徨う私らに明日は無い。
 朝は巡るが明日ではないのだ。

 それぞれが抱える魂の遍歴を薔薇の棘が赤く染めないうちに、
 私らは生との密約を結ぶのだ。
 星々の連なりが美しい星座となるように。
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