ambroid summer/むぎのようこ
 


木洩れ日は幹にもえうつり
いおのように游いで
あおいだ瞬きは
そらにとけて微睡んだ
しらむ
コンクリート
放たれていく君の足音の
つめたさに脳が
あせばみ
ふりかえり、照射する窓辺には
表情がない

うつくしい、うつくしい、と
ならべたて匿われ
やわらかなことのは
すばらしいと嘯いては
褪せてゆく
いろどりを口に映して
やがて瞼をやいていくもの
なびいてはしなやかに
仰け反り
ことほぐ、みどりの組成
きめこまやかに
はじいた空き地の群がり
ゆきづまり埋もれた
夕日のおきざり

くりかえしては
鳴らす足許にひかれる
平行線は
つゆにとかして淡く止む
さまたげた殻を
幾つもうかべて、こきゅうする
生きものの、はおとに
じりじりと鳴いて
目を、覚ますよるに
かえるあしおと
ふたたびを何度も
現像しつづける、ひとみ










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