獲物の狩人/ヒヤシンス
戦い方を知らない僕は狩人だ。
森の奥に隠れてじっと獲物を待っている。
獲物を見つけても何も出来ずただ見送るだけ。
消えるのは簡単だけどそうはいかないんだ。
人は僕を優しいと言うけれど、ただ臆病なだけなんだ。
僕は獲物の輪の中にも入れない。
人は僕を育ちが良いねと言うけれど、良い育ち方ってどんなものだろう。
僕は先に逝った友達と約束したんだ、絶対にあきらめないってね。
僕は僕を生きなくちゃならないんだ。
君が君を生きなくちゃならないように。
僕って意外としつこいんだよね。
森には天使がいてね、僕に泣くのを許してくれたんだ。
でも僕は泣かないよ。
腕利きの狩人が僕を獲物に狙っていたとしてもね。
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