原風景の海/星丘涙
 
私そのものを凝視して
言の葉をつぎ合わせ
組み立てる

見覚えのある風景が
あらわれる

海から上る太陽
赤く染まる雲
廃船で遊び
舞い飛ぶカモメを見つめていた

水平線は不思議と波たち
弧を描きふくらみ
この星の形を教え
こころ躍らせた

真っ赤に染まるこころを
幼子は見つめていた

あついかたまりが
心の核とかさなり
本能をやしなった

やがて熟成され琥珀となり
心の断層の一部となった

わたしは中空に浮かんでいる
言の葉をつかまえて凝視する
すると原風景があらわれる





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