どん底でペンを取ると.../宇津田詩能
アイデアも技巧も尽き果てた
頭に絡みつくある思考回路
そいつがおれのペンを折る
何を書けばいいのかわからない
形にならない感情を
大学ノートに叩き付ける
おれは怒っている
おれは悲しんでいる
おれは不安だ
書かせてください
ペンが進まない
人でなしに表現の自由を!
劣等人種に発表の自由を!
どうやってこの罫線上で
喚けばいい?
ワー、ウー、ギャー、グー
起承転結の破壊
意味への中傷
「生き辛さを訴え続ける詩人」
...の足元からこの30行の罫線が
順々に切り刻む
ダダイズム?シュールレアリズム?
それができる人々は幸福にて
言っておく
これは詩ではな
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