ミラー/1486 106
 
信号待ちの交差点で隣に並んだ車を覗き込んだ
ドラマで見たような奇跡を望んでしまっている
ぼうっとした刹那にけたたましいクラクション
少しの間立ち止まることさえ許されないようだ

サイドミラーに映る景色は風のように流れてく
見落としてしまった景色は1つや2つじゃない
振り返ってみてもあの頃に戻ることはできない
分かっていても自分で自分に嘘を吐いてしまう

向かい合っていたはずだった僕達はいつの間に
相手の姿に自分の姿を重ねてしまっていたんだ
だから少しの違いなのに気になって仕方なくて
必要以上に相手に求めすぎてしまったんだろう

コップを落とした破片を拾おうとして血を流
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