ひとり東京/星丘涙
ひとり気楽な夜
薄暗い部屋で過ごす
夢はない
思い出と酒
それだけでいい
目を瞑り故郷を思い浮かべる
波の音が遙か遠くから聞こえる
海は凪だ
漁船が沖へ向かう音が響く
浜風がカーテンを揺らし
窓を開けると
満天の星空が広がる
静かな夏の夕べ
ほろ酔いで
部屋の隅に眠っていた
ギターを持ち出し
ボロリン ボロ ボロ
思いがけず
涙が頬をつたい
おふくろの顔が浮かぶ
元気でいるだろうか
ひとりはいい
孤独と酒
思い出と唄に酔いしれ
ひとりの夜は更けてゆく
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