紫陽花の坂/星丘涙
繰り返される日々の中で
身も心もすり減ってゆく
紫陽花が咲く坂道を駆け下りる
雨色の風が頬を撫でる
ここまで生きてきた
どこまで行くのか
わからぬまま
歩く
蛍火はなつかしく揺れ
故郷へと誘い
夢うつつに
絹の夜がわたしを包む
夏を待ちわびる歳でもない
ただゆっくりと夏の訪れを眺める
校庭の隅
優しい雨に濡れ
咲いていた紫陽花
あれは
はるか遠い道
故郷は何処に行ってしまったのか
帰りたい
帰れない
あの故郷
今日も紫陽花の坂を下り
雨色の風に吹かれ歩いている
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