踊りを踊るには/春日線香
 
ない
蛇がとぐろを巻くように
節回しは高くなり低くなりして
男の喉は膨らんだりへっこんだりする
踊りを踊るには
こうするんだよ
といって
知らない男は汗をかいて
身振り手振りで大きな家を作り
その階段を昇り降りするが
わたしはもうずっと床に転がされているので
踊りを見るどころではない
いつになったらやめるのだろうか
もうこの踊りは終わらないのだろうか
白けた気分でなかば目をつぶっているのに
男は一向にやめる気配がない
踊りを踊るには
踊りを踊るには
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