日々/飯沼ふるい
 
これは
むかしむかしとちょっとのいま
真夏の壁に
交響曲が残照して
鋭くないガラス片と
青臭い血潮の
散った 咲いた
青春末期のお話で



顔の
みぎはんぶんが
麻痺している
先週の日曜からずっと
女児の乳房のようなしこりを
ほほに感じる

生きることの かたすみにおいやられた
さみしさが引き起こした病だろか
死を予兆する脳の異常だろか

冬、風邪をひいたとき、原因不明、疲労やストレス……
お医者さんは
ほほの強張る原因のいくつかを
指折りながら説いた

しかし原因不明って

それから帰って
熱い湯に浸かった
すぐ近くの
二車線の
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