彼らの彼方/シホ.N
 


かくも生きづらかった
彼らの声を聞く

声さえ出せなかった
彼らの文字をたどる

文字さえ綴れなかった
彼らの沈黙を察する

自我はもはや
虫の息
消えてゆくのは
超えてゆくこと

人差し指を
天に向け
のぼり龍の鼻の先

腕を広げて
地に立って
降ってくるのはヤリの雨

地と天空の
はざまに生きて

無と存在の
彼方を目指す


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