フィッシュボーン/藤鈴呼
 

良く見かける 昔ながらの三つ編み
黒く伸びる髪の毛の先に 
赤いリボンが はためいている
拘束された カラフル
誰しもが 似たような意見で 
流されて行く 世の中に
吐き気をもよおした

自宅に帰ると
壊れかけの冷蔵庫の扉の前で
あなたが つぶやいた
「この魚は 足が 早いからね」
その頃 運動会を控えて
日夜 もう特訓中だった わたしには
トラックと 土煙しか 浮かばなかった

修学旅行で訪れた 海の街
周りの友達は 魚介類に夢中
眺めるではなく 食べるのだ
成長期 真っ只中
景色の美しさよりも 胃袋を満たすことに
明け暮れていた
満腹の後 星空に
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