降るもの 3断章/新人さん
 


張りつけられた心は
鉄を含んでもいないのに
錆びるさびるサビル

錆びて凍てついた心は
剥がれる
剥がれる
根こそぎ剥がれてしまう

はがされた裏に何があるのかのぞいてみたら何もない
何もないんだ
なんだ、これが僕の心か

なんて薄っぺらくてちっぽけなんだ



雪が降る日でもないのに
何か降ると思ったら
思い出が降り積もっていた
小さいころの母の思い出
幼いころの初恋の思い出
嬉しかったこと悔しかったこと
降るふるフル
降り積もる
歌を歌うように降り積もる
こんなさびしい駅で
降り積もったところで行き場もないのに

僕は問いか
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