青空/吉岡ペペロ
幼いころぼくはぼくを肯定していた
青空は空が高かった
真っ青は高いということだった
ぼくがだれかの悲しみにならないように
まわりのひとを悲しみながら肯定していた
それがぼくがするぼくの肯定だった
青空は空が高かった
真っ青は高いということだった
写真屋のカバくんは
ぼくの友達が一家心中に巻き込まれて死んだことを同情していた
新聞でぼくはそれを知った
カバくんは前足がひとつない犬を飼っていた
撫でると背中が硬かった
元気な犬だった
死んだ友達はおとなしくて暗いやつだった
転校してきた台湾人の女の子と仲良くな
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