宇宙暗黒物質言語域で何度も私ではないと遺棄されるものとは/北街かな
かりそめの空間のなかで薄明るい滲んだオーロラを着ている
着込んでも着込んでも熱は一向に下がる気配がなく
ずっとひざのうえで幻想の猫が鳴いている
にゃーにゃーにゃー、
にゃー宇宙は
北極星の向こう側のアルファに向かってオメガが永遠に後退するように
最初から最後まで不可解な言語に埋め尽くされている、
端から端まで無限の向こうまで言語の暗黒物質がぎゅうぎゅうに詰め込まれて嘆き叫びずっと孤独を悲しんでいる、
わたしはだれだ、ここはなんだ、生まれた疑義はどこだ、この擬態に覆われた真実はこれか、
この空気と夜闇との差異はなんだ、繰り返される擬似行為の果てしなさに何の帰結をもたらすとい
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