喉元すぎれば/Seia
薄曇りの空に
何も足さずに服装を
中途半端で
丁度いい
季節を迎えて
誰かに追われるように
日々を終えて
自分に欠けているものを
夜な夜な数えて
苦い食べ物を頬張るとき
それが心地良いと感じるまでに
不快の園をいくつ越えたのか
いまではもう思い出せない
喉元をすぎれば
すぎていく過程にあるひとに
それを言っても仕方のないように
とりあえずいまは
お静かにお願い致しますと
立て札を持って無言で
廊下のスイッチを
何度押しても暗いままで
(この電球長持ちだからね)
急に聞こえた声は
随分前にわたしが放った言葉
コントローラーを握る
てのひらが湿る
炎を浴びた主人公が倒れて
数秒後にはあくびをする
よく考えろ
謎がとけるまで
かばんの底に
とけかけたアメがひとつ
もらったひとの顔もゆらいで
コーラ味には
炭酸が足りない
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