富嶽/虹村 凌
 
もしも僕が蝉だったとして、あなたは八日目の歌声を聴いてくれますか?
もしもあなたが十六夜の桜なら僕は見向きもしないでしょう

明けない夜は無い
止まない雨は無い
でも来年は無いかも知れない気分で何かをする人たちが好きになれません
一瞬の中に永遠が無いのなら永遠の中に一瞬はありませんか

明日なんて来なければいい
雨なんて止まなければいい
それでも陽は昇り落ち折り返し自転は止まらず
俺が死んでも誰も困らず
いや、それは悲しいね
と愛想笑う

助けて下さいと言えたなら少しは違ってきたでしょうか
「月が綺麗ですね」とか「恥の多い人生」とか
「吉祥寺ドンキは焼かねばならぬ
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