崩落/葉leaf
 


羽ばたいていく緑の葉たち
大きな坂の源にはくちなしの花
過ぎ去った漂泊の日々は今もよみがえり
労働の岩肌を静かに洗っている
欲するものはほんとうに欲されているのか
判らずとも雲は精密に模写され
機械は人間との接続を享楽している
絵を描くことは今もひそかに犯罪である
宴を開くことは今もひそかに行政である
目標は死に至る病だ
絶望はもっとも甘い人生の糖皮
虚無の小さな球体が地軸に沿ってあふれ出す
地球という充実は自らを忘却した
死すべき人間すらおらず
規範なく生命は堆積していく
宇宙は崩落を狂おしく待ち続けている

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