月の町 お題、即興ゴルゴンダ(仮)より/田中修子
 
月の町には丸い月のしずかなあかりが射していて、住むのは齢三十をこえた少女ばかりだ。

つねに満月夜、手入れのゆきとどかぬぼろぼろの町並み、つかずはなれずに点在する住居は、彼女たちのそれぞれのこだわりを反映して、本の、ぬいぐるみの、ロザリオの、愛らしい服のあふれたへやべや。
ひかる虫をおびきよせるにおいをしみこませた布切れが月の町どおりにも部屋の中にもあふれるようにおいてあって、そのにおいのもとは彼女たちの唾液だ。

そうして町角のそこここに鏡があり、月あかりと虫あかりと彼女たちの白い肌を無限に反射し、月の町にはしずかな狂気がみちている。彼女たちはものを食べない、食べれば吐くので壁に浮く白
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