夕方の癖/ヒヤシンス
オレンジ色の世界が僕に優しい。
季節の抜け殻が道路脇に溜まっている。
それは次の季節に託した遺言のようで。
澱んだ色に鮮烈なオレンジが溶けてゆく。
僕には悲しみを持つ権利もなくて
ただ希望の中に何かを見出そうとして。
この世の持つ引力と僕の持つ引力が互いにそっぽを向いている。
けれども僕はいつだって諦めたことはないんだ。
僕はいつでも大きな愛に包まれているような気がする。
それは貴方のかもしれないし貴女のかもしれない。
あの世とこの世がリンクして僕を生かしてくれている。
今日も僕は感謝の言葉を心に呟く。
誰かにそっと聞こえるように。
新たな季節が僕を待っているのさ。
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