さりげないソネット#2/ハァモニィベル
 


初めての旅をした
魅力に富んだ表紙のついた 本の
扉を開けるように
それは 始まったわけではなかった

足を引き摺り ひと気のない
トンネルを歩くように
それは まだ終わらない道のりである
引返すわけに行かない旅

人生。
それが、私の初めての旅の名称。
せめて簡易舗装された道路まで・・・

あと何歩だろうか?
西の丘にある瀟洒な家の白い暖炉の上に飾られた
にこりともしない肖像画に私がなり得るまで。


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