なんで/田中修子
雪の冷たさの青の空
桜のつぼみに咲くなとわめいてる
私を殺していたあのころ
なんで
好きな人は働かなかった 家事もしなかった 絵だけ描いてた
絵は息をのむようなやさしさだったのに
私はよく彼に土下座していた
愛があるなら すべて俺の気に入るとおりに できるだろ
なんで
お母さんは忙しかった 人を癒すことと次世代の子どものため
お父さんも忙しかった お母さんを愛することと次世代の子どものため
おねがいしますこっちを見て あなたたちの子どもは私です というと
お母さんもお父さんも自分のやりたいことがある
といってわらった
なんで
自分を殺そうとす
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