自己嫌悪/小川麻由美
 
久しく遠ざけていた言葉

自分と他者を比べてしまった時
根底を揺さぶられ
成す術もなく
流れるがままの涙に身を委ね
平常に成るのを待つしかない

素晴らしいものに出会ってしまった

甘い毒のように
舌では快楽を与えられるのだが
じわりじわりと浸透すると
倦怠感に襲われる
諸刃の剣の振る舞い

宙の一点を凝視し先を見据える

ふたたび覚醒した
自分が成す事ができるのは
いったい何かと思案する
言葉の選択を繰り返して来て
更に繰り返すプロセスを辿る

自分にしか出来ない思案を成す

書く喜びこそ 
自分を?ぎ止めて来た事実が在る
またもや宙の一点を限りなく凝視し
見える事のない未来に焦点を合わせ
今日も文字を連結させた
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