時の行方/ヒヤシンス
頭の内側から幾つもの瞳が僕の心を覗こうとしている。
激しい頭痛は時の行方を激しく見つめている。
これは夢であろうか。
僕には火炙りにされた女の姿が見える。
今ここに生きる事にどれ程の意味があるのだろう。
信じやすい心は疑り深い思考にやられている。
これは現実であろうか。
僕には友を守るために釜茹でにされた男が見える。
時は移ろいやすいので、切なくなる時がある。
時が移ろうことで、守られる秘密もある。
時は静かに歩むので、一瞬は激しく過去になる。
頭が心をせわしく突く度、不安だけが増してゆく。
明るくふるまう度に僕は孤独になってゆく。
僕は僕を知っているが、時の行方は誰も知らない。
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