染色月(三)/信天翁
 
       ひずみの原版を
    かかえたままで いま
      息を切らしながら
       つくづく 思う
        卒寿を過ぎた
        おひとりさま

 青い年だった 軽々しさ と
壮んな年だった 重だるさ と
夢と望みを わすれてしまった
涸れかかった年の 淀み とを
戻る   Point(2)