再サイレント/竜門勇気
 

歩き去る仕草が君に似てたから
足跡が花のように見えた
星空は汚れた鏡に見えた

あぶくを身にまとって
コーヒーミルがほどけてる
少しずつなら治るだろう
願いだけを口にする魚

世界の果てにこの前たどり着いたんだ
さっきまでそこそこ高い酒だったものを
ピーナツの破片と一緒に捨ててる時に
キラキラしてきれいだったよ
でもあれだな
家の便器の中にぶちまけながら見たときは
いや、やっぱり
キラキラしてきれいだった

涙がこぼれてる?
その寸前?
滲んだりはっきりしたり
机の上で踊る羽虫を見るみたいに
諦めに似た愛着が背中から僕を抱く
缶詰の丸さは太陽みたいに丸くない
握った拳の丸さは月夜みたいに丸くない

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