塩の柱/白島真
 
氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ

永遠と惑星という言葉の隙間に橋を架け謎の天体を砂時計のように転がしてみるのも研ぎ澄ました言葉を見つける旅みたいだ 世界地図を展げて星の履歴書をみつけたって喜ぶきみはきっと死んだ猫の首輪を探しているね

枕もとのブルーレィレコーダーの録音タイマーが作動してうるさくて眠れないのは星の青い光が抜け出してきみの眼底を這ってしまうからだ 眼なんて何にも視てこなかったし今だって書いてる世界のペン先さえ
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