微笑み/Lucy
このメールを打ちながら
ほんの少しあなたは微笑んだのだろう
ありふれたジョークのような
たった二行から
一滴零れた微笑みが
ザクザクの雪解け道をよろけながら歩いていた私の
胸の底にぽたりと落ちて
じわりと皮膚にしみ込んだ
一瞬の温かさが
遠い稲妻のように閃いて
珍しいね
笑うなんて
それがこんなに
温かいなんて
あなたが笑ってくれないから
一緒に居るのが苦痛で
聞いてくれないから話すのも嫌になり
会話も辛くて
気配さえもが憂鬱で
距離を置こう
物理的にも心理的にもなるべく離れ
関わりを避けて
表情 しぐさ
声のトーンに
一喜一憂するのをやめて
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