伯牙(はくが)/間村長
まがい物ががやがやして来ると
私は自分の家が
動物園に成ったかのように思って
ウジ虫になったかのような
気分に成る
仲秋の名月に琴の弦を切って
一切弾くまいと心に誓うと
夏目漱石と鏡子夫人のエピソードが
思い出される
月が綺麗ですねと言うのが
アイラブユーの代言だったと言うのだ
私から言わせれば
藻をどかしたから
小学生がさらわれて
殺されてしまったのだ
もっと現実を見つめて欲しいと思う
起こってから失礼ねと言っても
遅いのだ
無礼な所業にびくびくするよりは
私はもっとウジ虫となってしまった
私をどうにかしようと思った
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