はつかねずみ/星丘涙
 
はつかねずみは
やすむことを知らない
ただ走る 走り回る
とりあえず道に沿って
やみくもに走る
はつかねずみは
考えることを知らないのか
脳みそがたらないのか
天然なのか
わたしはそいつらに
おはようといい
いっしょに走る
まるで親友のように
同類のように
走りつづける
そう生まれついたのか
脳みそがたらないのか
天然なのか
寒空のした
汗びっしょりになって
いっしょに
かけずりまわる
とまることを恐れ
考えもしないで
ばかのひとつ覚えのように
ひた走る
かっこいいつもりになり
手をふりはしる
ばかになる
そしてとつぜん
死がおとずれる



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