赤く焼けたさかな/
水菜
さかなは、やけている
あかくあかく溶岩のようにやけている
さかなは今にも焼き付いてしまいそうだ
こおるよりはよいでしょう
天はさけぶ
鳥はなく
赤いさかなは、ただただ焼き付く様を
自らの身体が燃えつくさまを
ただただ確認している
さかなは、わらいたい
さかなは、ただただわらいたいのだ
焼き付く様を確認しながら
さかなは燃えつきるそのときまで
ただただわらいたいのだと
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