くずのつる/為平 澪
(君、あの鞄は君に似合うが荷物になるかもしれない。
(なぜなら、荷物とわかるには一度持ってみなけりゃわからない。
(鞄がお荷物とわかったならばただのクズだよ。
抑圧の、
その抑圧の、
押しきれない叫びは
その時、確かに頭を壊した
立ち止まらせる世界の二元論の内に私の居場所は無く
立ち進む二足の靴の歩みは
目の前の深みへ、その前の、より深遠なる深みへと招き寄せる
(どこかでサイレンの音がする・・・
足先は水を拒なかった
生きること、生きていること、生きてゆくことが
こんなにも
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