くずのつる/為平 澪
 
          


 (君、あの鞄は君に似合うが荷物になるかもしれない。
 (なぜなら、荷物とわかるには一度持ってみなけりゃわからない。
 (鞄がお荷物とわかったならばただのクズだよ。

           


抑圧の、
その抑圧の、
押しきれない叫びは
その時、確かに頭を壊した

立ち止まらせる世界の二元論の内に私の居場所は無く
立ち進む二足の靴の歩みは
目の前の深みへ、その前の、より深遠なる深みへと招き寄せる

(どこかでサイレンの音がする・・・


足先は水を拒なかった
生きること、生きていること、生きてゆくことが
こんなにも
[次のページ]
戻る   Point(9)