フラグメンツ  雪どけ/AB(なかほど)
 
うと
         支度をする祖母は
         乙女に変わる



白の終わり

 雪が溶けるように
 君のなかから消えてしまう
 それは僕の意志でもなく
 らいららい
 と
 誰かの春待つ鼻歌にも溶けて



        明日降る雨が

         明日降るはずの雨が
         雪になるという
         いたたまれない気持ちで
         坂道おりていくと
         君の住む町角ではもう
         もう静かに積もりはじめているのだろう
         と思えた






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