参道/はるな
 
たしがむすめの年頃のころに、祖母とこの神社へお参りに来たのだと、引越し先をみに来た母が言っていた。母が言う通り、むすめはまったく歩かずにベビーカーで寝ていた(もう対象年齢を過ぎているかもしれない、すこしぎしぎし言い始めたベビーカー!)。わたしたちは昔とは反対に、公園から続く裏口のようなところから先にお参りを済ませて、駅の方向へ伸びる参道を歩いた。さくさくと小気味よく鳴る砂利の音、すうすうと文字が浮かんできそうに眠るむすめ。

なくした頁がふっとでてくるみたいにして、記憶は現れる。遠いのも、近いのも。
小学校からかえってきて、つかれては眠ってしまっていた。よく眠る、すぐ眠る子どもだった。どこで
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