きのこの刺繍/
初谷むい
んなの関係ない。僕もさだめも心変わりをするかもしれないけれど、さだめは最近復活の最中に僕の首に繊維を伸ばしているから僕は殺されるかもしれないけれど、さだめのために、僕は今夜もマーマレードを落とさないようにきのこの刺繍をするのだと思う。大丈夫。復活途中のさだめは膨らむパンのようで、僕はやっぱりさだめが好きだ、と思う。よく見える右目で、思う。僕はきのこの刺繍がだんだん上手になり、僕はそのうち、僕の身体に、きのこの刺繍をしようと考えている。
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