S/初谷むい
 
きみが生きているのがつらいふとももから鋏を入れてはだかにならなきゃ

眠りすぎて朝が来ないの夕方が腫れているから飛ばない鳥が

脳みそがからっぽですって警告に吐きそう誰かの手を握り続けたい死ぬ前の美しいように

ケーキ屋で試食をしたら褒められた夢だったけどおいしかったよ

眠っても眠っても起きてしまうからわたしの雉はもう死にません

ひとららはいやだと人に送るのをやめたよ歌のようだったから

おかあさんが掃除機かける音だけがずっとしていてみんなありがと

こわいみんな死ねっておもう 目を瞑るの瞑るという字がお弔いです

知らない人皆やさしくて泣いちゃうねわたし助ける
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