どうしたの/末松 努
つらいの?
私はワタシに聞いてみた
つらい
ワタシは答えた
そっか、ふて寝した?
私は続けた
あまり眠れない
ワタシが言った
眠ったときは、いないよね?
私は問うた
え?
ワタシが首を傾げる
眠りに落ちると
自分というのは
世界もろとも消える
いるのにいない
私は目を閉じた
わからない
ワタシが怪訝な顔をしている
生んだのが
自分ということ
私は呟く
そうしているうち
私とワタシは
眠気に気圧され
世界はやっと
保たれていた
こうして
ワタシが私を
自分
としているのは
妄想に過ぎない
仏が囁く
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