同窓会/zenyama太郎
 
十五の春から五十年が過ぎた
六十五歳の同窓会が
こちらでは珍しい雪の降るなかで
ゴルフ場のあるホテルで行われた
全国から約四十名が集まった
五十年ぶりの人も何人かいた
とりわけ中卒で就職した人たちが
りっぱな社会入になって
堂々とカラオケを熱唱していたのには
感動した
「学校の勉強はできなかったけど
僕は一生懸命に仕事をしてきました」
という少し手の不自由なM君の言葉に
僕は何度も頷いていた
あれから五十年である
五十年の間には
一人一人さまざまなことがあっただろうけれど
今みんながここに一堂に会している
奇跡みたいなものを感じながら
深夜まで飲んで語り合った夜だった






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