真実〜信じる事/ヒヤシンス
 

 高原に解き放たれた馬は一枚の夢を見る。
 透明のキャンバスに画家は理想を描く。
 山荘に集う人々は各々の事情を隠し笑っている。
 天から降り注ぐ金粉なんてあるわけがない。

 高原に日が傾きかけてくると真実が見えてくる。
 雨も降っていないのにみんな傘を差している。
 水色の雨が降っているのは画家の描く絵の中だ。
 理想を信じているのは彼らだ。

 信じることが難しい世の中で彼らは信じる事を信じている。
 そんな彼らの理想は崇高で美しい。 
 辛い日にこそ皆が皆透明のキャンバスを見つめている。

 高原には嘘が無く皆真実に身を委ねている。
 真実とは他でもない自分自身だ。
 自分を信じてあげることからすべては始まる。
 
 
 
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